なぜコミュニケーションエラーが起こるか?

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コミュニケーションの齟齬はなぜ起こるのでしょうか。

正直、私自身がコミュニケーションが得意な方ではない自覚があるし、同じようなタイプが周りにも多いのですが、だからこそ「コミュ障www」と茶化したり自虐して笑い事として正当化するのではなく、適切に対策する意識を持つことが重要でしょう。

結論から言うと「相手の話を聞かず、自分が言いたいことを言う」からに尽きると考えます。

言いたいことを沢山抱えていて、それを伝えたくて仕方ない(もしくは、それを伝えることこそが正義であり誠実さだと思い込んでいる)ような状態だと、対話している相手の発言を「意思疎通のための足掛かり」ではなく「自分が言いたいことを言うための口実」としてしか扱わなくなります。「相手がこれを話題に出してくれた、自分が言いたいことを吐き出すチャンス!」と。

特に技術系サービス業の人間はその人なりの思想やコダワリを持っているものです。勿論それ自体は大変素晴らしいことですが、顧客との対話において自分の思想を並べ立てるのは必ずしも良いコミュニケーションにはなりません。また、その思想の内容が変わらない限り顧客が変わっていっても同じ発言を繰り返すことになるのは自然なことではあるものの、あまりにも判で押したような話をし続けていると目の前の相手との意思疎通を図る意思がそもそも無いことが浮き彫りになります。

(話は逸れますが、思想がアップデートされないということもまた大変危険なことです。それも含めると、「いつまでも、誰が相手でも、必ず同じ話をする」人には注意が必要かもしれません。)

ともあれ、「相手の話を聞いて、求められている内容に対して的確に答える」だけでコミュニケーションの齟齬は確実に消えます。こうして言葉にすると物凄く当たり前のことですが、その物凄く当たり前のことが案外徹底できないものなのです。

上で述べたことはまあまあ極端な例でしたが、そこまでではないにせよ「相手に求められていることではなくただ自分が言いたいだけのことを言ってしまう」というのは程度の大小こそあれど常に発生しているものだと思います。もちろん脱線や補足と言える内容は対話において重要な意味を持つ場合も多々あるので絶対に不要なものではないですが、まずは相手の話を聞く、そしてそれに答える、というのが前提でしょう。その前提が満たされていないまま”脱線や補足”に走ってしまうことがコミュニケーションエラーの正体に他ならないと考えます。

さて、この「相手の話を聞いて、求められている内容に対して的確に答える」というのは難しいことですが、これが非常にやりやすくなるのがメール等の「長文になっても良いテキストメッセージ」です。(同じテキストメッセージでもチャット的にリアルタイムで短文を送り合うのは対面での会話や電話に近いものになります。)

メールなら伝えるべきことや質問を一度に全てテキスト化して相手に送ることができます。そして返信する側は受け取った文章をじっくり読み、自分が送る内容も推敲したうえで返信することができます。これらをお互い自分が都合が良いタイミングで落ち着いて実行できるということが、メールで意思疎通する極めて大きな利点です。それぞれの送り合った内容が記録として残り、いつでも見返すことができるのも良いところです。

ちなみにメールによる意思疎通の効率は往復する回数を最小限にとどめることで最大化されます。つまり自分が送信する時点で伝えたいこと・訊きたいことを全てメッセージに含めることです。必ずしも長文になる必要はないですが、長文に「なっても良い」のがメールの良いところで、リアルタイムで短文を送り合うチャットとは本質を異にするところです。

ともあれ、メールならリアルタイムの対話ではどうしても生じてしまうコミュニケーションエラーの種を心掛け次第で確実に排除できるわけです。

メールがあってよかった、と心底思うのでした。。。

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